はじめに
私のパン屋には看板がなく、入口の扉にロゴと店名が表示してあるだけ。
開店当初は、お客さんにはパンのお店という認識がななかったようで、「ネイルサロンかと思った。」などと言われていた。
そのうちに、お客さんから「パン屋さんとわかるように、のぼり旗を立てれば・・・」と提案された。
それで、パン屋とわかるようにオレンジ色の『天然酵母パン』というのぼり旗を立てた。
旗の効果で、お店に入ってきてくれるお客さんが増えた。
今では、オレンジ色ののぼり旗が立っているときは『営業中』ということがお客さんに認識されるようになり、のぼり旗が当店の一番の働き者である。
休みの日は、相変わらず目立った看板がない。
お店の前は比較的交通量の多い県道に面していて車の通過は多い。
認知度を上げるためにやはり看板は必要だ。
どんな看板に
まずは文言。
店名を入れるか、キャッチーな単語にするか。
有名店なら店名を大きく入れたいところだか、目に止まるわかりやすい単語がいい。
のぼり旗は、『天然酵母パンの店』と書いてある。
お客さんは、『天然酵母』の単語に惹かれて入ってくるパン好きなお客さんだ。
迷うことなく『天然酵母』だろう。
看板は、ロゴと文字を吊り下げタイプの看板にする。
風に揺られてゆらゆらして人の気が引けるだろうし、回転できるようにすれば、どの方向からでも文字が見られる。
3Dプリンター
看板は、3Dプリンターで製作する。
ちょうど、3Dプリンターとかドローンとか流行ったときに買ったおもちゃの3Dプリンターがある。
ダビンチ・ミニ・メーカーは、XYZプリンティングという台湾の会社の3Dプリンターで、お手軽に使える入門機種である。
この機種は、すでに絶版で、最新の機種はこんな感じ。
最大の印刷サイズは縦横高で15cmの立体物が作成できる。
それほど大きな物が作れるわけではないので、一文字ずつ縦X横を15cm、高さ5cmで印刷する。
印刷開始
この3Dプリンターは、プラスチックのフィラメントを溶かしながらノズルから吐出して、1段ずつ積み上げて層を作って造形してく「FDM方式」 熱溶解積層方式である。
はじめに輪郭を作り底にあたる面を作り、再び輪郭を作る。
造形物の中は、設定でプラスチックを充填することもできるし、空洞割合を設定して軽量化し、フィラメントを節約することもできる。
空洞部分は、割合に応じて補強の筋(線)が一段ずつ作られる。
最上面部分は、この補強の筋の上に作られる。
空洞を多くすると溶けたプラスチックが垂れてしまい最上面(部分)が平面ゆがんでしまうことがあるので注意が必要だ。
3Dプリンターの動きは、見ていて飽きない。
「酵」は、完成するまで6時間程度かかる。
文字が大きいためだろうか、高さが出てくると微妙に位置がずれてくる。
この3Dプリンターは、造形面積が大きいとか造形物自体が大きいものには向いていないのかもしれない。
PLAフィラメントは、1巻600gで3500円程度。
数回失敗したこともあり、ロゴと3文字で白色フィラメント1巻使い、面積の大きい1文字で金色フィラメント半分くらい使用した。
立体看板完成
それぞれのオブジェクトには、ステンレス線を通す穴を開けてあり、それぞれ結んだ。
これで完成!
窓の格子が白で文字も白いからあまり目立たないかも。
のぼり旗のように「オレンジ色」に塗装しようかと。
風に吹かれてゆらゆら、くるくる回る24時間365日働いてくれる看板の出来上がり。
集客の効果を期待したい。