1986年型純白「トヨタMR2」
はじめての新車だった。
この車は日本初のミッドシップ車で、日本とアメリカでカーオブザーイヤーを受賞している。
初代MR2のカタログは、トヨタ博物館 で見られる。
初代MR2は、カローラ/スプリンターの前置きのパワートレインを後ろへと移植してミドシップにし、スポーツカーというよりも、アメリカのGM「ポンティアック・フィエロ」のような「スポーティーコミューター」だった。
後期モデルでは、スーパーチャージャーを追加するなど性能を向上させた。
* ボディサイズ:全長3,950mmmm×全幅1,665mm×全高1,250mm
* ホイールベース:2,320mm
* 車両重量:1180kg
* 駆動方式:RR
* エンジン(4A-GZE):1587cc,145PS/6400rpm,19.0kg・m/4400rpm(JISグロス値)
* トランスミッション:5速MT
* サスペンション前/後:ストラット/ストラット
所有していたMR2は後期型。
自宅の駐車場で納車してもらった。
ボディーカラーは当時人気の「スーパーホワイト」で本当に真っ白い色だった。
エンジンルームは、車体の中央にある。
エンジンルームのフードはFRP製でスリットが刻まれている。
フードを開けると、赤いプラグケーブルを目を引き、左側にスーパーチャージャーのインタークーラー、右側に「TOYOTA」と刻印された銀色のエンジンヘッドが見える。
これだけで、気分は上向きになる。
こでまで乗り継いできた車は古い車ばかりで、インジェクションのエンジンは初めてだった。
シートに座り、何の「儀式」もなく、イグニッションキーをひねりるとエンジンが始動し、シートの後ろから大きめのエンジン音が聞こえた。
拍子抜けの感はあるが、エンジン始動が簡単になったという便利さは実感した。
クラッチを踏むと、クラッチは重め。
ステアリングはラック&ピニオンのパワーアシストなし。
前にエンジンがないので、思っていたより軽かった。
国道に出るまではゆっくりと走ったが、思っていたよりトルクがあり、低速でも癖なく運転できる。
左折して国号に入り2速でアクセルを踏み込んだ。
レスポンスよくエンジンが吹き上がり「後ろから蹴っ飛ばされる」ような感覚とエンジンの振動と音でしびれてしまった。
カーブでは、ミッドシップ特有の「オンザレール」の安定したコーナーリングに感動した。
当時、自動車評論家はいろいろとこの車に注文を付けていたが、「お値段以上によくできた車」だった。
タイヤは、純正で14インチ扁平率60のハイグリップタイヤ「ブリッジストンPOTENZA」を履いていた。
当時としては、最先端のタイヤだった。
時間があれば、コーナーリングを楽しみに箱根や伊豆に走りに行った。
箱根の七曲りを走っているとタイヤの焦げるにおいがしていい感じでタイヤがすり減っていく。
テアリングの反応は鋭く、ステアリングとアクセルワークで気持ちよくよく曲がる。
今でもその感覚が蘇り、車の運転の楽しさを教えてくれた。
新車で納入されて8年乗り、結婚して第1子が生まれてファミリーカーに乗り換えるため手放すことに。
さみしいけど仕方ない。
いずれまたの機会にスポーツカーを乗ろう!
MR2を見かけることがあると、当時のことを思い出す。