Accessで業務システムを構築した!|みどシステム工房
Accessで業務システムを構築した!
はじめて本格的な業務システムを構築した時の回顧録です。
小規模のシステムを早期に開発するには最適です。

Accessでシステム
パシフィックハイウエー1号線
アメリカ合衆国カルフォルニア州


はじめに

サラリーマンに人事異動がつきもので、仕事に慣れて余裕が出てくると人事異動になります。

同じような仕事の部署に異動することもあるし、まったく経験のない仕事を担当することもあります。

その時がきました!

現場から事務仕事へ。

担当となったのは、統計資料作りです。

機械的な手作業で集計するという現代ではかなりアナログな仕事でストレスが溜まります。

一番苦痛だったのが、紙ベースの手作業なうえ、同じような作業が重複していて非効率としか言いようがない状況でした。

そこで、コンピュータ化できないものかとITの担当部署に相談すると、「コンピュータシステムを導入することによる効果を明確化する必要ある。」とのこと。

システムのために多額の投資をするのだから、それなりの見返りが必要ということです。

専門業者からヒアリングを受け、システム構築費や運用費用など見積を提出してもらい、システム導入後の対費用効果のシュミレーションをして、導入するか否かの検討をしました。

検討結果は対費用効果がないとして否決され、残念な結果となってしまいました。

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Accessでシステム構築構想

次の人事異動か担当が変わるまでこの手作業が続くと思うと、気分が下がります。

この業務は、EXCELで計算させているところもあるので、EXCELで処理を自動化させる方法もあります。

何気なく、仕事で使っているパソコンのディスクトップを眺めていたら、Accessのアイコンが目に入りました。

Accessは、データベースソフトです。

Accessでシステムを考える

Accessについてネットで検索して、調べてみると、Accessをプラットフォームに業務システムとして開発している会社があるほど一般的なんですね。

また、ネット上にAccessの技術情報が数多くあるので、Accessでシステム化できるか検討してみました。

作業の効率化を図るために、これまで伝票を書く作業からパソコンで入力するように同僚にお願いしなければいけません。

パソコン入力が苦手な人もいるので、そのあたりを考慮してシステム化の指針を考えてみました。

システム化するための指針

  • ユーザは、事務処理の変化に必ずしも歓迎するものではないので、紙からパソコンに変化しても抵抗感が少なくなるよう、画面表示や帳票出力など、紙で使用されているフォーマットを継承する。

  • インフラとしてはファイルサーバがあり、事務内には常に数名が業務に携わっているので、ファイルサーバを利用してネットワークによるデータの共有化を図る。

  • 入力は選択方式として、処理はボタンなどで自動化し、ユーザの負担を軽減する。

システム構成

Accessでシステムを考える

業務システムのイメージは、それぞれの業務を1つのフロントエンドにまとめて、ファイルサーバに置いたデータベース用のファイルとリンクさせて情報の共有化を図ります。

 試験運用

Accessは、昔、流行った電子ブロックのように、オブジェクトを配置してプロパティを設定するだけで、そこそこできてしまうので、開発時間が短縮できます。

プログラミングが行き詰るとネット検索でヒントを得てそれを応用していきます。

ひとりでもシステム開発ができるのもAccessの特徴かもしれません。

このようにして、評価版業務システム1号が完成しました。

試験運用期間は、紙との併用です。

二度手間になりますが、評価版をユーザに使用させて、業務システムの必要性を感じ、納得してもらうこと。操作に慣れてもらうことを目標にしました。

さらに、システムを評価しもらい、評価をシステムに反映させてシステムの完成度を高めます。

このシステムは、ファイルサーバにデータテーブル用のAccessファイルを置いて各パソコンのAccessとリンクしていますので、ファイルサーバの性能やLANの速度により処理の速さが影響を受けてしまいます。

例えば、リストを表示させる時、リストが表示されるまで数十秒かかったりすることがありました。

リストの表示速度が待ちきれないほど遅い場合は、早く処理させるために、リンクではなくアプリのファイル内にテーブルを設置するなどの工夫が必要です。

あらゆる場面を想定してシステム作りをしているつもりでも、ユーザは想定外の操作をします。

そのような時でも対応できるようにプロパティできめ細かく設定したり、エラー時にいきなりVBAエディターが開くようなことのないよう、エラー回避は忘れずに記述します。

 本運用開始

試験運用期間中に操作マニュアルと管理者用のマニュアルの整備と操作説明会などを実施しましたが、パソコンの習熟度に個人差があるので全員が使えるようになるには時間がかかります。

質問に対しては、根気よく操作説明を続けます。

2ケ月程度の試験運用を経て、本運用の開始となりました。

試験運用中にテストやバグの改修など、トラブルにならないよう細心の注意を払いましたが、ネットなどを見ていると、Accessのファイルは「破損しやすく、破損すると開けなくなる」といった記事があります。

心細くなります。

たしかに、ファイル破損の可能性としてはあるのだろうから、定期的にバックアップをとる必要はあります。

これは、破損する頻度のことかと思いますが、Accessだけでなく他のデータベースについても同じではないかと思います。

その後、心配していたデータ消失などといった大きなトラブルは、ありません。

Accessはファイルの管理を徹底すれば、ファイルの破損といったトラブル回避可能なのかもしれません。

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