BLスピーカー
オーディオが花盛りだった1970年代、スピーカーといえば、世界的に有名なのがJBL。
JBLは、アメリカ合衆国カルフォルニア州ノースリッジにあるオーディオの会社で、1946年にジェームス・B・ランシングが設立した会社で、現在は、韓国のサムスン電子の子会社のブランドの一つになっている。
現在でもそうだが、当時もその存在感は、数々のブランドがあれど、圧倒的だ。
当時の私は中学生に。
とても手がでない夢のブランドだった。
そんなとき、親戚のお兄さんが、スピーカーの上に白い大理石が乗っているスピーカーを持っていた。
JBL L101 Lancer
親戚の家に行くたびに、そのJBLのスピーカーでジャズのレコードを聴かせてくれた。
音楽を聴くときは、フロントグリルをはずす。
低音が響くと大きなウーファーが前後にゆさゆさと振れて空気が振動する。
そして、ツイーターから澄んだ高音が聞こえてくる。
オーディオブームが去って、社会人となり、結婚し、子供ができて、子育てに追われる日々が続いていた。
しかし、子供が小学校へ行くようになれば、手が離れ、趣味などの時間ができ、音楽を聴く時間ができるようになった。
はじめは、コンポで聴いていたが、昔、買ったオーディオを思い出し、引っ張り出して聴くようになった。
そんなとき、家電量販店で小さなJBLスピーカーを見つけた。
JBL CONTROL 1X
このスピーカーの発売は、1986年で、全世界で100万本以上売れたベストセラーだ。
価格は手ごろで4万円ほど。
すぐさま購入し、しばらく、YAMAHAのアンプとともに愛用していた。
小さいので迫力はあまりないが、さすがJBLという飽きこない音だ。
しばらくすると、仕事が忙しくなり、オーディオは放置状態。
さらに、その後の引っ越しで段ボール箱に入れたままになった。
エッジ
真空管アンプを制作した。
はじめのうちは、大きなスピーカーで聴いていたが、JBLスピーカーがあるのを思い出し、箱から出して真空管アンプに接続。
音を出したが、片側のスピーカーの音がおかしい。
そのうち、両方とも低音のない薄っぺらい音になってしまった。
フロントグリルを外してみた。
ウーハーのエッジがボロボロになっていた。
ちょっと触ってみたら、ウーハーが崩壊した。
JBLスピーカーのエッジはウレタンでできているため、経年劣化する。
定期的交換が必要なのだ。
ネット通販で、CONTROL 1X用の交換用ウレタンエッジが片側2000円くらいで売っていた。
サイズが合うかどうかわからないが安いエッジもある。
エッジ購入して自分で修理するか。
スピーカー分解
とりあえず、ウーファーを箱から外さないとエッジの交換ができないので、箱を分解する。
フロントグリルを外すと正面に六角ねじがあるのでそれをすべて外せばバラせるはずだが、外れない。
ボンドで接着してあるようだ。
こうなれば、力ずくで外すしかない。
隙間にマイナスドライバーを突き刺し、たたきながら根気よくこじ開ける。
箱が外れたらスピーカーを外す。
これもボンドで固着していた。
コジコジと外す。
さすが、アメリカ製だと感心した。
エッジ交換
ウーファーが外れたところで、崩壊したウレタンエッジの残骸をきれいに取り除く。
今回は、交換品のウレタンエッジを使わずにゴムを使うことにした。
材料は、100円均で売っている食器洗いに使うゴム手ぶくろ。
これをハサミでウーファーのエッジになるように切り取りとる。
切り取ったゴムをエッジのようにコーンが振動するように丸みをつけて貼り付ける。
接着剤は、どこでも売っている木工用ボンド。
ボンドが乾いたら、組み立てる。
生まれ変わったJBL CONTROL 1X
ゴム手エッジの音を聴いた。
いい感じ。
スピーカーが新しかったころの音は忘れてしまったが、低音にメリハリがあって透き通った音で聞こえる。
想像していたよい音で再生されていた。
材料費は、100円でした。
このスピーカーを修理したのが6年前。
いまだに、いい音でレコードの音を聴かせてくれている。
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