SNSで「映える」と有名になった「ホースシューベンド」。
しかし、アリゾナ州北部でユタ州との州境の近くにあり、アクセスのよくないところだ。
車で行くには、一番近い大都市のラスベガスからだとI-15と州道で4時間以上かかる。
I-15は、ラスベガスからほぼ1本道の砂漠を走るが、途中に景色は一変して岩の谷間のくねくね道を上りだす。
ここは、「バージンリバー渓谷」。
高速道路からは見えないが、道路の下に川が流れている。
道路両側に荒々しい岩の切り立った崖が迫り、急こう配でカーブが続く。
この景色は圧巻だ。
I-15を降りて、州道へ。
州道を走りだすと小さな町がいくつかある程度で、景色の変化がない大地の上をひたすら走る。
交通量は少なく、小さな町を出ると信号はない。
車線は片側交互通行がほとんどで、遅い車がいると反対車線から追い抜くことになる。
写真を見ていただくと、中央線が黄色く左側が実線、右側が点線になっている。
日本の道路交通法にないセンターラインの黄色の点線。
実線は、日本と同じ「はみだし追い越し禁止」。
点線は、「はみ出して追い越してもいい」ということだ。
直線道路が多いので見通しは良いが、対向車もかなりスピードが出ている。
はみ出して追い抜くと、対向車がどんどん近くなる。
排気量の少ない車はべた踏み状態で追い抜く度胸がいる。
抜けそうもなかったら、あきらめてすぐに元の車線にもどる判断が必要だ。
目的地の近くに「レイクパウエル」という巨大な人造湖があり、ここを中心に 半径230kmの円を描くと、「グランドキャニオン」など8の国立公園と16の国定公園を含むエリアは「グランドサークル」と言われ、観光地が多く存在し、その中に「ホースシューベンド」がある。
さらに、周辺は、「アンテロープキャニオン」、ちょっと離れているが「モニュメントバレー」や「セドナ」といった景勝地もある。
この地域は、もともとネイティブアメリカンの居留地ともなっているのでなんとも興味深い。
「ホースシューベンド」の近くに「ペイジ」という町がある。
この町は、1957年にコロラド川をせき止める「グレンキャニオンダム」を建設するときに作業員と家族が住み始めてできた町でアメリカで一番新しい町ともいわれている。
この「グレンキャニオンダム」の完成で「レイクパウエル」ができ、リゾート地になった。
「グレンキャニオンダム」には、無料の資料館が併設され,、建設当時の様子がうかがえる。
また、ガイド付きでエレベーターでダムの底部を見ることもできるようだ。
ダム建設中に恐竜の化石も見つかっているそうで展示されていた。
ダムの前を通る州道に鉄橋がかかっていて、この上から見る景色は撮影スポットである。
「ペイジ」から「ホースシューベンド」まで車で15分くらい。
駐車場に車を止めて目的地まで歩いて10分くらい上り坂を上る。
丘を下ると、有名な「ホースシューベント」の光景が目に入る。
「コロラド川」までかなりの深さがあり、写真ではわからない迫力がある。
看板には、ここの地質やこのようになったいきさつが説明されている。
そして、砂岩で風化しているため崩れやすいので気を付けるようにとの記述も。
確かに岩はもろそうであまりぎりぎりまでは行きたくない。
柵がなく、崖のふちで写真を撮ってる人がいる。
当時(2018年)は、柵もなく無料だったが、今(2022年)は作が整備され、入場料を徴収されるようだ。
ところで、「ホースシューベント」を形作ったのは「コロラド川」ではあるが、「コロラド川」にはいくつのダムがあるのだろうか。
有名なところでは「フーバーダム」があるが、地図で見てもかなりの数がある。
川は、アメリカ合衆国コロラド州のコロラド山脈からメキシコ合衆国ソノラ州まで長さ2,330kmに及びでカリフォルニア湾に流れ出る。
あまりにダムが多いので河口が干上がることもあるという。
アメリカ西部は乾いた土地が多いので仕方がないのだろうが。
大陸はスケールが日本とは大きく異なり、感動することが多い。
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